権利関係(民法等) 問6

A所有の甲土地について、Bが所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。 ア AがCに対して甲土地を売却し、Cが所有権移転登記を備えた後にBの取得時効が完成した場合には、Bは登記を備えていなくても、甲土地の所有権の時効取得をCに対抗することができる。 イ Bの取得時効が完成した後に、AがDに対して甲土地を売却しDが所有権移転登記を備え、Bが、Dの登記の日から所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合、所有権移転登記を備えていなくても、甲土地の所有権の時効取得をDに対抗することができる。 ウ Bの取得時効完成後、Bへの所有権移転登記がなされないままEがAを債務者として甲土地にAから抵当権の設定を受けて抵当権設定登記をした場合において、Bがその後引き続き所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合、特段の事情がない限り、再度の時効取得により、Bは甲土地の所有権を取得し、Eの抵当権は消滅する。

解説

正解は3(三つ、ア〜エ全て正しい)。ア:取得時効完成「前」に登記を備えた第三者は、時効取得者にとって当事者と同視され、時効取得者は登記なくして対抗できる(判例)。イ:取得時効完成「後」に登記を備えた第三者との関係は対抗問題(民法177条)となり、原則として登記なくして対抗できないが、その第三者の登記後にさらに時効取得に必要な期間占有を継続すれば、その第三者の登記の時を起算点とする新たな(再度の)時効取得が成立し、この新たな時効取得については当該第三者が登記の時点でいわば「時効完成前の第三者」の地位に立つため、登記なくして対抗できる(判例)。ウ:時効完成後に設定された抵当権についても同様の理論が適用され、抵当権設定登記後にさらに時効取得に必要な期間占有を継続すれば、特段の事情がない限り、再度の時効取得によって抵当権の負担のない所有権を取得し、当該抵当権は消滅する(最高裁平成24年3月16日判決)。
(法令基準日: 令和5年4月1日)

  • 民法第162条(所有権の取得時効)
  • 民法第177条(不動産物権変動の対抗要件)
  • 最高裁昭和41年11月22日判決(取得時効完成前の第三者に対しては登記不要で対抗可)
  • 最高裁昭和36年7月20日判決(取得時効完成後の第三者に対しても、再度の時効取得により登記なく対抗可)
  • 最高裁平成24年3月16日判決(抵当権設定登記後の再度の時効取得により抵当権が消滅)
  • 本問は個数問題(正しいものはいくつあるか)であり、肢別分解せず1レコードにまとめて保存している(CLAUDE.md参照)。ア〜ウ全てが正しく見える難問のため、正解番号表の転記だけでなく解説内容も外部情報源(複数の宅建過去問解説サイト)と突き合わせて確認済み(2026-09-14)。
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出典: 宅地建物取引士資格試験(実施:一般財団法人不動産適正取引推進機構、令和5年度・問6)

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