宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。 ア A社は、Bとの間で締結した中古住宅の売買契約において、引渡後2年以内に発見された雨漏り、シロアリの害、建物の構造耐力上主要な部分の瑕疵についてのみ責任を負うとする特約を定めることができる。 イ A社は、Bとの間における新築分譲マンションの売買契約(代金3,500万円)の締結に際して、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額と違約金の合計額を700万円とする特約を定めることができる。 ウ A社は、Bとの間における土地付建物の売買契約の締結に当たり、手付金100万円及び中間金200万円を受領する旨の約定を設けた際、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、売主は買主に受領済みの手付金及び中間金の倍額を支払い、また、買主は売主に支払済みの手付金及び中間金を放棄して、契約を解除できる旨の特約を定めた。この特約は有効である。
- 一つ
- 二つ ✓
- 三つ
- なし
解説
アは誤り:瑕疵担保責任の対象を「雨漏り・シロアリの害・構造耐力上主要な部分の瑕疵」に限定する特約は、民法の原則(隠れた瑕疵一般に対する担保責任)より買主に不利な特約に該当し、法40条により無効(通知期間を引渡しから2年以上とする特約のみ有効で、責任の対象範囲自体を限定する特約は認められない)。イは正しい:損害賠償額の予定と違約金の合計額の上限は代金の10分の2(700万円)であり、ちょうど上限と同額の特約はこれを超えないため有効(法38条)。ウは誤り:手付解除(民法557条、法39条2項)の対象は「手付」のみであり、代金の一部前払いにすぎない「中間金」を解除清算の対象に含めて放棄・倍返しの範囲を拡大する特約は、買主が負担する解除コストを増大させ買主に不利となるため、法39条3項により無効。よって誤っているものはア・ウの二つ。個数問題のため肢別分解せず1レコードで収録。
(法令基準日: 平成25年4月1日)
- 宅地建物取引業法第40条(瑕疵担保責任についての特約の制限)
- 宅地建物取引業法第38条(損害賠償額の予定等の制限)
- 宅地建物取引業法第39条(手付の額の制限等)
- 個数問題のため、選択肢ア〜ウを肢別に分解せず1レコードで収録した。
出典: 宅地建物取引主任者資格試験(実施:一般財団法人不動産適正取引推進機構、平成25年度試験・問38)
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