宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)及び民法の規定によれば、誤っているものの組合せはどれか。 ア AがBとの間で締結した中古住宅の売買契約において、当該住宅を現状有姿で引き渡すとする特約と、Aが瑕疵担保責任を負わないこととする特約とを定めた場合、その特約はいずれも有効である。 イ Aは、Bとの間で建物の売買契約を締結する前に、法第35条の規定に基づく重要事項として当該建物の瑕疵の存在について説明し、売買契約においてAは当該瑕疵について担保責任を負わないとする特約を定めた場合、その特約は有効である。 ウ AがBとの間で締結した建物の売買契約において、Aは瑕疵担保責任を一切負わないとする特約を定めた場合、この特約は無効となり、Aが瑕疵担保責任を負う期間は当該建物の引渡しの日から2年間となる。
- ア、イ
- ア、ウ ✓
- イ、ウ
- ア、イ、ウ
解説
アは誤り:現状有姿で引き渡すとする特約自体は有効だが、瑕疵担保責任を一切負わないとする特約は、引渡しの日から2年以上とする場合を除き買主に不利な特約として無効であり(法第40条)、「いずれも有効」という記述は誤り。イは正しい:瑕疵担保責任は買主が契約締結時に知らなかった「隠れた」瑕疵についてのみ生じるものであり、重要事項として事前に説明され買主が知っていた瑕疵は「隠れた」瑕疵に当たらないため、その瑕疵について責任を負わないとする特約は法第40条が禁止する買主に不利な特約には該当せず、有効である。ウは誤り:瑕疵担保責任を一切負わないとする特約は法第40条第2項により無効となるが、無効となった場合に自動的に「引渡しの日から2年間」という期間に置き換わるわけではなく、民法の原則(当時は瑕疵を知った時から1年以内に請求しなければならない等)によることとなる。よって誤っているものの組合せはア・ウである。令和2年4月1日施行の改正民法により瑕疵担保責任は契約不適合責任に再構成され、買主の主観的態様(善意・悪意、隠れた瑕疵か否か)を問わず契約内容に適合しているかどうかで判断される枠組みに変わっている点に留意(出題当時のイの理由付けは「隠れた瑕疵」要件を前提とする)。
(法令基準日: 平成21年4月1日)
- 宅地建物取引業法第40条(瑕疵担保責任についての特約の制限)
- 民法(平成21年当時)第570条(売主の瑕疵担保責任)
- 組み合わせ問題のため、選択肢ア〜ウを肢別に分解せず1レコードで収録した。
出典: 宅地建物取引主任者資格試験(実施:一般財団法人不動産適正取引推進機構、平成21年度試験・問38)
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